10月最初、南武線高津駅にあるお茶屋「田中屋」さんに伺いました。実は、いつも紅茶教室をさせていただいている「東海道かわさき宿交流館」にて川崎の名産というコーナーがあり、そこで田中屋の「武州茶」を手に取りました。関東大震災前に川崎にも自園栽培の茶が存在していたことを知り、大変興味を持ちました。実際にお茶の生産は川崎ではできなくなってしまったものの、日本各地の茶を味わって、当時の味を再現すべく研究されているとのこと。「紅茶は販売されていますか?」と以前お電話をして取り寄せたとき、ふくよかで香り高い印象でした。
お店はひろびろとしていて、選びやすいように席が用意されていました。温かい雰囲気ですぐさまお茶を出して下さいました。
店内に飾られていた、海外に茶を出荷する際に使用されていた木箱に施されていたデザインが大変素敵でした。
目立つように派手な色合いでありながら、和の雰囲気を大切にしたものでありました。
何種かのお茶を購入してきました。
田中屋さんが扱う和紅茶のなかで、「静岡産」のものを購入しましたところ、「奥久慈」のものを「味比べしてみて下さい」と少しサンプルを頂きました。静岡産の方は、香りが芳醇で濃厚、渋みしっかりの紅茶らしいものでした。奥久慈は大変フルーティーでストレートがぴったりでした。飲みやすく柔らかい感じがしました。
手前のものは豆菓子です。緑は抹茶、茶は焙じ茶をひいたものをまぶされている、お茶好きにたまらないお菓子でした。紅茶もひいてまぶしてもらえたら嬉しいです。
お店の方が本当に温かく、丁寧な接客をしてくださっていることに感激しました。店頭には茶の木が植えられた大きな鉢がありました。川崎の地で茶樹が育っていたことを思わせてくれる、そんなひとときでした。川崎でお茶を販売する仕事をしているものとして、訪れて良かったと心から思いました。